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トマトを食べることと前立腺ガン予防の間には、あきらかに関係がある。
トマトをふんだんに食べる南イタリアでは消化器系ガンの発生率が低いいま、アメリカでは西海岸を中心にイタリア食ブームが広がっており、ピッツァ、パスタなどのトマトソースをベースにした料理がさかんに食べられている。
とくに西海岸のカリフォルニア州あたりでは、街でイタリアンレストランを見かけることが多くなった。
これは前立腺ガンの予防というより、むしろアメリカ人が生活習慣病予防のため、ハンバーガーなどのファストフードから、パスタなどのスローフードへの食生活の転換をめざしたことによる。
カロリーが高く、消化吸収のよいファストフードをやたらに食べることが、肥満、糖尿病、心筋梗塞など、アメリカ人の生活習慣病の大きな原因となっていることは、だいぶ前から専門家の間で指摘されており、健康の大敵として問題にされてきた。
アメリカ人がファストフードを好んだのには、もちろん理由がある。
西部開拓時代から20世紀前半にかけて、食事をするひまも惜しんで働き、財産をつくることにみんなが夢中だった成長期のアメリカでは、働きながらでも簡単に食べられ、かつカロリーの高いファストフードが欠かせなかったのだ。
しかし、いまのアメリカ経済は成長期から成熟期に移り、昔のようにファストフードを必要としない。
アメリカの人びとは食生活の改善を迫られている。
早い話が、栄養バランスのよい食事をゆっくり時間をかけてとるべきなのだが、困ったことに、長年続いた食習慣はなかなか変えられない。
「ハンバーガー+コーラ」というパターンに替わる食事はないかということで、白羽の矢が立ったのが、トマトソースをふんだんに使うイタリア料理だったわけだ。
本家のイタリアでも、疫学調査の結果、トマトを食べることが、ガンや心筋梗塞などの生活習慣病の予防と深い関係にあることが知られている。
1994年、イタリアのガン研究所とミラノ大学医学部による調査では、おもにオリーブオイルとトマトを料理のベースに使う南イタリアと、トマトソースの料理よりはバター、ラードと肉類をペースにした料理をふんだんに食べる北イタリアとでは、消化器系ガンの発生率にはっきりした差があり、南イタリアのほうが低いことがわかっている。
ふだんからトマトをたくさん食べることが、生活習慣病を抑えるうえで大きな効果があることが世界的に知られてきたのだが、ここでちょっと気がついたことはないだろうか。
前に触れたハーバード大学と米国ガン研究所(NCI)の共同調査で、前立腺ガンの予防に効く加工食品の中に、なぜトマトジュースが入っていないのだろうか。
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