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昔の自給自足的生産・生活様式が支配的であったときには、収入の範囲でしか消費はしなかった。
今は借金して食べるようになった。
どうやら80年代、巨大人口の二地域が思いっきり食べはじめたらしい。
そこで出すものが妖怪のようになって地球を襲いはじめるのではないか。
これが今日、人々が何となくアジアに対してもっている環境面からの不安である。
そこで、アジアの環境生態系を考える道筋を述べたいと思う。
巨大人口と依然として高い人口増加率1995年の世界の人口は57億人だが、アジアがその6割を占め、34億人が住む。
1835年の世界の人アジア環境問題を考える基礎条件、当時の人口は10億人で、現在の中国一国の人口より少なかった。
それが百年後の1935年に20億人、ところが僅か305年後の1970年には倍増し40億人となった。
今日、人口増加率が最も高い地域はアフリカであるが、ここは国が512あるものの総人口は7億人くらい。
人口増加が急速でも世界への影響は小さい。
世界に1億人以上の国は十ある。
そのうち6つがアジアにある。
1994年で、中国が12億、インドが9億、インドネシアが1.9億、日本1.25億、ハキスタン1.2億、・ハングラデシュが1.2億人である。
他には、アメリカ、ロシア、ブラジルと、アフリカのナイジェリアが1億人を超える。
巨大な人口のうえに、東アジアを除くと人口増加率は依然として高い。
中国は厳しい人口抑制をしているので低い。
NIESが1%前後に落ち、もう十年もすると先進国並みになろう。
他はいずれも高い。
人口増加率は複利計算であるから、0.1%違うと十年、二十年ではとんだ大きな差が生まれる。
2.5%増加ではとんでもなく大きくなる。
図の黒塗り部分は人口1億以上の国であるが、アジアでは4つが1.7%以上、中国は1.1%に落ちてはいるが何しろ母数が3億、年間に1300万人も増え、これはオランダやオーストラリアが毎年一国ずつできていく勘定になる。
大変なことである。
したがって、世界人口の43%を占める中国、南アジア、インドネシアの動向が世界の人口動向を決めるといってよい。
ここがどのような生産様式と生活様式を採用するかが二十年、30年先の世界の環境問題を決めていくといっても過言ではない。
都市化が環境の悪化をもたらすことは説明を要しない。
先進国とラテンアメリカの都市化水準はだいたい75%以上である。
アジアではこの水準にあるのが日本とNIESである。
世界で都市化水準が最も低いのが中国、南アジア、インドネシアで、おおむね30〜35%である。
前項で指摘した世界人口の43%前後を占める地域がここに当たる。
先進国の都市化の経験をみると、都市化水準が35%前後の水準を超えると、急速にその水準を上げ、65%を超える頃から鈍化しはじめる。
つまり、中国、南アジア、インドネシアは急速な都市化の入口にさしかかっているのである。
発展途上国の都市化をつぶさに調べると、先進国や日本、NIESで見られた工業化に伴う都市化の他に、工業化なき都市化現象が観察される。
特にアフリカ社会に多い。
これが大都市のスラム化を引き起こしてきた。
アジア諸国でも一部を除くとこのことが観察できる。
つまり、急速な工業化に伴う都市化と工業化なき都市化の相乗効果で、先進国の都市化の最盛期のニ〜3倍の速度で都市化が発生している。
これは農村の人口圧によるところが大きい。
しかも、都市化は大都市、巨大都市の形成へと進んでいる。
小都市の発展はむしろ停滞している。
100万人規模の都市と300万人規模の都市では、その環境に対する負荷の大きさは質的な相異さえ見られる。
世界に500万人以上の巨大都市は25あるが、その中でアジアにじつに15も存在する。
1000万人以上の都市がじつに4つもある。
上海や北京は郊外人口を入れていない統計である。
これを入れると1000万人以上の都市は、まもなく1000万人になるデリー、ジャカルタをも含めると10前後にもなる。
1000万人以上の都市の人口増加率は東京を除くと年率で2.5%を超えている点にある。
先進国の巨大都市のロンドン、ニューヨーク、東京はすでに鈍化する様相を呈している。
ハリ、ローマ、アムステルダムなど西欧の大都市も同様に人口増は止まっている。
つまり、欧米先進国の経済は1000万人以上の都市をつくる力がなくなっていることを示す。
これに対し、アジアの巨大都市は依然として速い速度で成長しているといえる。
これは人類にとって初めての経験である。
1000万人以上の都市の実現という意味では、東京が世界で初めて新しい経験をつくり、これに続いてアジアのいくつかの国では東京の規模を突破してさらに進んでいることがわかる。
東京は東京湾があったからこそ莫大なゴミの処理が可能であった。
こGDPでみるアジアの急成長急速な経済成長が生活水準の向上をもたらし、大量の廃物を生み出していることは論証を要しないほど自明の理である。
この急速な経済成長をつくり出した最初の国が第二次世界大戦後の日本である。
われわれはそれを高度成長と呼んできた。
日本の高度成長はだいたい1957、58年頃から1973年の第一次オイルショックの17〜18年間を呼ぶ。
この間の年実質成長率は9.5%ぐらいである。
この成長率は過去の先進国ではなかった新記録である。
なぜ高度成長が実現したか。
いろいろな要因があげられるが一口にいえば、アメリカが20世起則半につくりあげた大量生産・大量消費という生産形態と生活様式を日本の中に植えつけることに成功したからだと考える。
これをアメリカ型高度物質文明と呼んでおこう。
アメリカの機械工業の発展史を遡ると、19世紀は農業機械、ピストル、タイプライターなどが主体で、労働力過少の社会であったから常に省力化の生産ラインが追究されてきた。
今日の大量生産方式が体系化されるのが20世卵些初頭のフォードによる自動車生産ラインである。
自動車はイギリスで発明されたが、数名の職工が部品加工から組立てまで一切を行い、3か月で1台を完成するというやり方であった。
これを変え、それぞれの部品のみを専門的に加工し、ラインに乗せ組み立てる方法が編み出された。
トランスファーマシンという工作錘騨棚はその象徴である。
この生産方法が家電などに応用され、20世起削半、アメリカは石油産業も加わって巨大な経済をつくりあげた。
それが存在しなかったら東京を維持できたか否かわからない。
アジアでは東京への人口集中を上回るという新しい挑戦が出現しているのである。
急速な経済成長とアメリカ型高度物質文明の波及つまり、アメリカ型高度物質文明とは大量生産←大量消費←大量浪費の三位一体文明といってよい。
借金をさせ、まず消費させるという消費者ローンは胃袋を無限に拡大することになる。
「入るをはかりて出を制せよ」という消費行動をくつがえすこととなった。
これが無限の消費をつくり、無限の出物を出す社会をつくることとなった。
環境問題が深刻化するのはこのアメリカ型高度物質文明の浸透によるものである。
それ以前にも環境破壊はあった。
例えば、足尾鉱毒事件がその例であるが、これは局地的局限的であった。
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